いろかたちに注目する鉄道車両図鑑

東京急行電鉄/長野電鉄8500系

東京急行電鉄/長野電鉄8500系/秩父鉄道7000系

《最終更新》 2019.03.10

1.概要

8500系は東京急行電鉄が1975年から製造した電車である。1986年にかけて、田園都市線に10両編成38本と5+5両編成2本が投入された。東横線や新玉川線でも使用された。2003年に田園都市線の5+5両編成が大井町線に転用され、5両編成4本として使用された。2003年から廃車が生じており、2019年に大井町線から撤退した。2020系の増備に伴って、田園都市線から撤退する見込みである。廃車となった車両は秩父鉄道や伊豆急行、長野電鉄に譲渡された。

長野電鉄8500系は2005年から東急電鉄から8500系を譲受した電車で、2009年にかけて3両編成6本が投入された。

秩父鉄道7000系は2009年に東急電鉄から8500系を譲受した電車で、3両編成2本が投入された。


2.外観の特徴

2.1.車体構造の差異

製造時期により車体形状に差異が存在する。1975年から1980年に製造された車両(前期形)は、8000系に準じた車体構造であり、屋根のカーブ形状は8000系と同様である。そして、1981年に製造された車両(中期形)は、軽量車体に変更され、屋根のカーブ形状と屋根上の絶縁部の位置が変更されている。なお、中期形は中間車のみが製造されている。また、1982年から1986年に製造された車両(後期形)は、中期形の屋根のカーブ形状はそのままに、屋根上の絶縁部の位置は前期形に準拠している。


2.2.改造による差異

1994年から一部編成を除いて、種別行先表示器が幕式から3色LED式(3C-LED)に交換された。2005年以降はフルカラーLED式(FC-LED)に交換された編成が存在した。2002年から一部編成を除いて先頭車の前面にスカートが設置された。

長野電鉄のT6編成と秩父鉄道の7002Fは中間車が種車であり、先頭車は非貫通構造の運転台が新設された(先頭化改造)。


2.3.塗装の差異

製造時は全車両が前面に赤帯を加えた塗装(以下、標準色)であった。1986年頃に8635Fが広告貸切車の「TOQ-BOX号」として、側面にも赤帯が追加された塗装(TOQ赤帯)に変更された。後に「TOQ-BOX号」は8634Fに変更され、塗装も引き継がれた。また、1987年には8637Fが東急ケーブルテレビジョンによる広告貸切車「CATV号」として、前面と側面に青帯の塗装(TOQ青帯)に変更された。2編成とも数度に渡って車体装飾が変更されたが、現在は車体装飾を終了している。2006年には8614Fが「伊豆のなつ号」として、伊豆急行8000系に準じた塗装(伊豆色)に変更されている。2006年頃には大井町線の車両の前面帯が赤と黄色のグラデーション(大井町色)に変更されている。長野電鉄に譲渡された車両は、製造時の標準色のまま使用されている。秩父鉄道7000系は前面帯が緑色と黄色のグラデーション(秩鉄色)に変更されている。


3.バリエーション一覧

No.
現状
特徴

4.各バリエーション解説

A01 前期形/標準色

前期形の登場時の姿。種別行先表示器は幕式であり、スカートは設置されていなかった。後の改造と廃車により減少したが、現在は田園都市線の8606Fがこの姿である。

長津田検車区 8606F
長津田検車区 8606F
撮影場所 二子玉川駅   撮影日 2015.02.06
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A02 前期形/標準色 [3C-LED]

前期形の種別行先表示器3色LED化後の姿。1994年から一部編成を除き、種別行先表示器が3色LED式に変更された。2002年からスカートが設置され、東急でこの姿の車両は消滅した。一方、長野電鉄では、2005年と2006年に譲受したT1~T4編成がこの姿で使用されている。

長野電鉄 T3編成
長野電鉄 T3編成
撮影場所 須坂駅   撮影日 2009.04.26
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A03 前期形/標準色 [3C-LED][スカート]

前期形のスカート設置後の姿。2002年から2005年にかけて、一部編成(主に行先表示器が幕式であった車両)を除いてスカートが設置された。現在も田園都市線の車両はこの姿で使用されている。また、2009年に長野電鉄が譲受したT5編成もこの姿で使用されている。

長津田検車区 8615F
長津田検車区 8615F
撮影場所 宮崎台駅   撮影日 2017.12.04
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A04 前期形/標準色 [FC-LED][スカート]

前期形の種別行先表示器フルカラーLED化後の姿。2005年から一部編成がフルカラーLED式に変更された。前期形は8616Fのみが該当した。同編成は2008年に3色LED式に変更され、この姿は消滅した。

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A11 前期形/伊豆色 [3C-LED][スカート]

2006年に「伊豆のなつ号」として、塗装変更された8614Fの姿。現在もこの姿で使用されている。

長津田検車区 8614F
長津田検車区 8614F
撮影場所 東向島駅   撮影日 2012.05.04
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A12 前期形/秩鉄色 [3C-LED][スカート]

秩父鉄道7001Fの姿。現在もこの姿で使用されている。

秩父鉄道 7001F
秩父鉄道 7001F
撮影場所 熊谷駅付近   撮影日 2018.08.15
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A21 前期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造][スカート]

長野電鉄T6編成のデハ8506の姿。2009年に譲受したT6編成は、全車が中間車から改造された。先頭化改造により新設された運転台は非貫通形である。現在もこの姿で使用されている。

長野電鉄 T6編成
長野電鉄 T6編成
撮影場所 信濃吉田駅付近   撮影日 2019.03.10
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A22 前期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造]

スカートを撤去した長野電鉄デハ8506の姿。2016年1月の事故によりスカートを破損し、復帰後はスカートを未装備で運行された。現在は再設置され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8634F
長野電鉄 T6編成
撮影場所 須坂駅   撮影日 2016.03.12
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A31 前期形/秩鉄色 [3C-LED][先頭化改造][スカート]

秩父鉄道7002Fの姿。現在もこの姿で使用されている。

秩父鉄道 7002F
秩父鉄道 7001F
撮影場所 熊谷駅付近   撮影日 2018.08.15
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B01 中期形

中期形の姿。中間車のみが製造された。屋根上の絶縁部の幅が狭いことが特徴である。

長津田検車区 サハ8947号車(8609F)
長津田検車区 サハ8947号車(8609F)
撮影場所 二子玉川駅   撮影日 2015.02.06
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B11 中期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造][スカート]

長野電鉄T6編成のデハ8516の姿。2009年に譲受したT6編成のうち、デハ8516のみ中期形を改造種車としている。先頭化改造により新設された運転台は非貫通形である。現在もこの姿で使用されている。

長野電鉄 T6編成
長野電鉄 デハ8516(T6編成)
撮影場所 信濃吉田駅付近   撮影日 2019.03.10
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B12 中期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造]

スカートを撤去した長野電鉄デハ8516の姿。2010年11月の事故によりスカートを破損し、復帰後はスカートを未装備で運行された。2011年頃に再設置され、この姿は消滅した。

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C01 後期形/標準色

後期形の登場時の姿。種別行先表示器は幕式であり、スカートは設置されていなかった。

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C02 後期形/標準色 [3C-LED]

後期形の種別行先表示器3色LED化後の姿。1994年から種別行先表示器が3色LED式に変更された。2002年から2005年にかけてスカートが設置され、この姿の車両は消滅した。

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C03 後期形/標準色 [3C-LED][スカート]

後期形のスカート設置後の姿。2002年から2005年にかけてスカートが設置された。現在も田園都市線の車両はこの姿で使用されている。

長津田検車区 8635F
長津田検車区 8635F
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2017.12.04
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C04 後期形/標準色 [FC-LED][スカート]

後期形の種別行先表示器フルカラーLED化後の姿。2005年から一部編成がフルカラーLED式に変更された。後に3色LED式に変更され、この姿は消滅した。

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C11 後期形/TOQ赤帯

「TOQ-BOX号」として、車体装飾と側面にも赤帯が追加された8634Fと8635Fの姿。1986年頃に8635Fがこの姿になったが、後に8634Fに変更された。1994年から種別行先表示器が3色LED式に変更され、この姿は消滅した。

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C12 後期形/TOQ赤帯 [3C-LED]

8634Fの種別行先表示器3色LED化後の姿。「TOQ-BOX号」である同編成は、1994年以降に種別行先表示器が3色LED式に変更された。

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C13 後期形/TOQ赤帯 [3C-LED][スカート]

8634Fのスカート設置後の姿。「TOQ-BOX号」である同編成は、2004年頃にスカートが設置された。フルカラーLED化により一旦は消滅したが、現在は再びこの姿で使用されている。なお、2010年に「TOQ-BOX号」としての車体装飾は撤去されている。

長津田検車区 8634F
長津田検車区 8634F
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2017.12.04
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C14 後期形/TOQ赤帯 [FC-LED][スカート]

8634Fの種別行先表示器フルカラーLED化後の姿。「TOQ-BOX号」である同編成は、2005年に種別行先表示器がフルカラーLED式に変更された。2008年に前面の種別行先表示器が3色LED式に戻され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8634F
長津田検車区 8634F
撮影場所 曳舟駅   撮影日 2007.03.16
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C21 後期形/TOQ青帯

東急ケーブルテレビジョンによる広告貸切車「CATV号」として、前面と側面が青帯に変更された8637Fの姿。1987年に8637Fがこの姿に変更された。1994年以降に種別行先表示器が3色LED式に変更された。

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C22 後期形/TOQ青帯 [3C-LED]

8637Fの種別行先表示器3色LED化後の姿。1994年以降に種別行先表示器が3色LED式に変更された。2003年頃にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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C23 後期形/TOQ青帯 [3C-LED][スカート]

8637Fのスカート設置後の姿。2003年頃にスカートが設置された。2008年に車体広告や装飾は撤去されたものの、現在も青帯のこの姿で使用されている。

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C31 後期形/伊豆色

2006年に「伊豆のなつ号」として、塗装変更された8614Fに組み込まれる後期形の姿。同編成の中間車の一部は後期形である。現在もこの姿で使用されている。

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C41 後期形/大井町色 [3C-LED]

大井町線の後期形の姿。2006年に大井町線で使用される車両を対象として前面帯が変更された。前面帯の変更後も一部編成はスカートを未装備であった。なお、行先表示器は3色LED式であった。後にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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C42 後期形/大井町色 [3C-LED][スカート]

大井町線で使用される後期形のスカート設置後の姿。2006年頃にスカートが設置された。後に種別行先表示器がフルカラーLED式に変更され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8639F
長津田検車区 8639F
撮影場所 自由が丘駅   撮影日 2008.01.13
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C43 後期形/大井町色 [FC-LED][スカート]

大井町線で使用される後期形のフルカラーLED化後の姿。2008年頃に種別行先表示器がフルカラーLED式に変更された。現在はこの姿で使用されている。

長津田検車区 8638F
長津田検車区 8638F
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2017.12.04
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