
近畿日本鉄道/大井川鐵道16000系
1.概要
16000系は近畿日本鉄道が1965年から製造した狭軌仕様の特急型電車である。1977年にかけて2両編成7本と4両編成1本が投入された。後継車の登場による置換えが進行しており、1997年と2002年には余剰となった2両編成3本が大井川鐵道に譲渡された。
2.外観の特徴
製造時期による差異が存在する。1966年までに製造された16001F~16003Fは左右の前面窓に大型な1枚ガラスを採用しているが、1967年に製造された16004F以降は平面ガラスと曲面ガラスの組み合わせ(以下、分割窓)に変更され、ピラーが設けられた。1974年に製造された16008F以降はスカートが設置され、全車両に普及した。1977年に製造された16009Fは貫通扉に電照式の愛称表示器が設置され、あわせて塗装も従来のオレンジ色をベースに窓回りが青色(●初期色)から、愛称表示器まわりの塗分け線を変更した(●旧塗装)が採用され、全車両に普及した。
後年の変化として、1985年から車体更新が施され、外観上は前面幌枠の高さが変更された。また、分割窓を採用していた16004F以降については、同時に大型ガラスに変更された。2016年以降は塗装が変更され、オレンジと白をベースとして窓下に金帯(●新塗装)になっている。
大井川鐵道に譲渡された16000系は入線時期による差異があり、1995年に入線した16001Fと16002Fは前面幌枠が撤去(幌枠撤去)されているが、2002年の16003Fは前面幌枠が残置されている。
3.バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | ●初期色 |
A02 | 消滅 | ●初期色 [分割窓] |
A11 | 消滅 | ●初期色 [スカート] |
A12 | 消滅 | ●初期色 [スカート][分割窓] |
A21 | 消滅 | ●旧塗装 [スカート][愛称表示器] |
A22 | 消滅 | ●旧塗装 [スカート][愛称表示器][分割窓] |
A31 | 現存 | ●旧塗装 [スカート][愛称表示器][車体更新] |
A41 | 現存 | ●旧塗装 [スカート][愛称表示器][車体更新][幌枠撤去] |
A51 | 現存 | ●新塗装 [スカート][愛称表示器][車体更新] |
4.各バリエーション解説
A31 | ●旧塗装 [スカート][愛称表示器][車体更新] |
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車体更新工事後の姿。1985年から1996年にかけて車体更新が施され、この姿になった。現在もこの姿で使用されている。大井川鐵道に譲渡された16003Fもこの姿である。



A41 | ●旧塗装 [スカート][愛称表示器][車体更新][幌枠撤去] |
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大井川鐵道に譲渡された16001Fと16002Fの姿。幌枠が撤去されている。16001Fは2015年に廃車されたが、16002Fは現在もこの姿で使用されている。


