
阪急電鉄2200/6000/7000系/能勢電鉄6000/7200系
1.概要
2200系は阪急電鉄が1975年に製造した電車である。電機子チョッパ制御の試作車として8両編成1本が投入され、神戸線で使用された。1985年にはVVVFインバータ制御の試作車として中間車2両が追加製造された。1995年には全車両が電装解除のうえで6000系に編入され、現在は6000系や7000系と組成されている。
6000系は阪急電鉄が1976年から製造した電車である。神戸線・宝塚線向けに1980年にかけて126両が投入された。1985年には4両が追加投入された。
7000系は阪急電鉄が1980年から製造した電車である。神戸線・宝塚線向けに1988年にかけて210両が投入された。
一部編成は能勢電鉄に譲渡されており、2014年に6000系の8両編成1本、2018年に4両編成2本が譲渡された。8両編成は阪急電鉄の6000系と共通運用であり、4両編成は7200系に改造のうえ、線内運用で使用されている。
2.外観の特徴
2200系、6000系、7000系はほぼ同一の車体であり、大きな差異は生じていない。製造時期による差異として、1985年以降に製造された7000系は乗務員室直後に小窓が設置されている。以前に製造された6000系と7000系も改造により小窓が追加された。
改造による変化として、1995年に6000系の6005Fと6006Fを対象に前面表示器が拡大(以下、大型表示器)された。
また、1998年より7000系にリニューアルが開始されている。初期に改造された車両は外観に大きな変化は生じなかったが、2002年以降に施された車両は大型窓の側扉に交換(側扉交換)され、2009年と2010年に実施された7007Fと7008Fは前面デザインが大幅に変更(前面改造)と前面表示器がフルカラーLED式に交換(FC-LED)、前面車番が貫通扉から窓下に移動(車番移設)した。しかし、2011年以降の車両は前面改造が見送られ、2002年以降に施工された車両と同様の改造内容となった。また、2013年以降の車両は前面車番の移設、2016年以降の車両は前面貫通扉窓の大型化(貫通扉交換)が施されている。6000系のリニューアルは2001年と2002年に6007Fと6015Fを対象に施され、外観上は側扉の交換が変化点である。
2018年に7000系の一部編成が能勢電鉄7200系として譲渡され、譲渡に伴う改造で種別行先表示器がフルカラーLED式に変更されている。
塗装は全車両がマルーンの単色(●旧塗装)であったが、1998年頃よりマルーンに上部がアイボリー(●新塗装)に変更された。なお、初期に塗装が変更された6001Fは前面上部もマルーン色(●試験塗装)であったが、後にアイボリーに変更された。能勢電鉄に譲渡された車両はマルーンとアイボリーの境界部に金帯(●能勢色)である。
2019年に7006Fが「京とれいん 雅洛」として改造された。各種リニューアルのほか2扉化や装飾塗装(●京とれいん)が施された。
3.バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | ●旧塗装 |
A02 | 消滅 | ●旧塗装 [小窓] |
A03 | 消滅 | ●旧塗装 [小窓][大型表示器] |
B01 | 消滅 | ●試験塗装 [小窓] |
C01 | 現存 | ●新塗装 |
C02 | 現存 | ●新塗装 [小窓] |
C03 | 現存 | ●新塗装 [小窓][大型表示器] |
C11 | 現存 | ●新塗装 [小窓][側扉交換] |
C12 | 現存 | ●新塗装 [小窓][側扉交換][車番移設] |
C13 | 現存 | ●新塗装 [小窓][側扉交換][車番移設][貫通扉交換] |
C21 | 現存 | ●新塗装 [小窓][側扉交換][車番移設][前面改造][FC-LED] |
C31 | 消滅 | ●新塗装 [小窓][FC-LED] |
D01 | 現存 | ●能勢色 [小窓][FC-LED] |
D02 | 現存 | ●能勢色 [小窓][側扉交換][FC-LED] |
E01 | 現存 | ●京とれいん [小窓][車番移設][FC-LED][2扉化] |
4.各バリエーション解説
A01 | ●旧塗装 |
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2200系と6000系の全車両と1984年までに製造された7000系の落成時の姿。乗務員室直後の小窓はなく、塗装はマルーンの単色であった。小窓の設置や1998年頃より塗装が変更され、この姿は消滅した。
A02 | ●旧塗装 [小窓] |
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1985年以降に製造された7000系の落成時の姿。1984年までに製造された6000系と7000系の一部も小窓の設置により、この姿になった。1998年頃より塗装が変更され、この姿は消滅した。
A03 | ●旧塗装 [小窓][大型表示器] |
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前面表示器が拡大された車両の姿。1995年に6000系の6005Fと6006Fを対象に前面表示器が拡大された。1998年頃より塗装が変更され、この姿は消滅した。
C03 | ●新塗装 [小窓][大型表示器] |
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前面表示器が拡大された車両の塗装変更後の姿。1995年に前面表示器が拡大された6005Fと6006Fは、1998年頃の塗装変更でこの姿になった。現在もこの姿で使用されている。



C11 | ●新塗装 [小窓][側扉交換] |
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2002年以降にリニューアルが施された7000系と6000系のリニューアル後の姿。前面の変化はないが、側扉の窓が下方に拡大されている。現在もこの姿で使用されている。



C12 | ●新塗装 [小窓][側扉交換][車番移設] |
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2013年以降にリニューアルが施された7000系の姿。側扉交換のほか、前面車番が窓下に移設されている。現在もこの姿で使用されている。



C13 | ●新塗装 [小窓][側扉交換][車番移設][貫通扉交換] |
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2016年以降にリニューアルが施された7000系の姿。側扉交換と前面車番移設にくわえ、前面貫通扉が交換されている。現在もこの姿で使用されている。



C21 | ●新塗装 [小窓][側扉交換][車番移設][前面改造][FC-LED] |
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2009年と2010年にリニューアルが施された7007Fと7008Fの姿。前面デザインが大幅に変更され、行先表示器もフルカラーLED式に交換されている。現在もこの姿で使用されている。


